動作のしくみ
電気信号を変換するだけの CAN Repeater とは異なり、CANbridge NT は CAN メッセージをすべて受信し、既存のフィルターや変換、ポートマッピング、多重化ルール(Store-Forward 方式)に基づいて他の CAN または CAN FD ネットワークに送信します。2 台の CANbridge NT 420 を使用することで、CAN FD ネットワーク(CAN トンネル)を介して 2 つの標準 CAN ネットワーク間でメッセージ送信が可能です。
フィルタリングと多重化
マッピングテーブルを使用することで、すべての 4 チャネル間でメッセージの受信/送信が可能です。また、CAN や CAN FD メッセージのフィルターや変更は、フィルターや変換ルールによって行うことができます。このメカニズムでは、他のネットワークに必要なメッセージのみを送信することにより、各ネットワークのバス負荷が軽減されます。SAE J1939 のアプリケーションには、固有のパラメーターに合わせた特別なマッピングテーブルが提供されます。データ多重化/逆多重化機能により、例えば CAN FD データを複数の標準 CAN メッセージにマッピング(Demultiplexing)したり、逆に標準 CAN メッセージを CAN FD データにマッピング(Multiplexing)することができます。
Action Rules(アクションルール)
受信メッセージやデバイスまたは CAN バスステータスイベントに応じて、メッセージ(CAN、CAN FD)の送信やデバイス設定の変更、デバイスの LED の切り替えなど、さまざまな動作を自動的に実行することができます。Action Rules は、Windows ベースのデバイス設定ツールのイベントや動作に関する直感的なドロップダウンメニュー、または LUA スクリプトを使って作成されます。
サイクリック伝送
サイクリック伝送機能でメッセージを周期的に転送することができます。メッセージとサイクルタイムの両方をひとつの Cyclic Transmission テーブルで定義します。
設定
CANbridge NT の設定とファームウェアのアップロードは、USB インターフェースから Windows 設定ツールを使用して実行します。このツールにより、プログラミングスキルがなくても、フィルターやマッピング、多重化、変換ルールを簡単に設定することができます。

CANbridge NT および CAN@net NT 向け Windows 対応設定ツール