動作のしくみ
柔軟性の高いユーザーインターフェースに受信データの評価やネットワークでの CANopen FD サービス使用のための機能が備わっています。
ドライバーインターフェースは、CANopen FD Stack をさまざまな CAN コントローラーや CPU と接続することを想定して定義されています。そのため、新しい CAN コントローラーや CPU にも簡単に対応できます。また、ほんの少しの作業でハードウェアの置き換えも可能です。CANopen FD Stack は、ThreadX、FreeRTOS、Keil RTX、または TI-RTOS といったさまざまなリアルタイム OS 上で使用可能であり、同様に Linux(SocketCAN、can4linux)や QNX、さらには Windows 向けのリアルタイム拡張上でも使用することができます。
関数 API に加えて、マルチスレッド・マルチタスクで使いやすいメールボックス API も備わっています。アプリケーションモジュールと CANopen FD Stack 間のメッセージは、関数コールではなくメールボックスを経由して送られるため、ノンブロッキング通信が保証されます。1つのアプリケーションを、CANopen FD Stack を並列で使用する複数のタスクから構成することも可能です。
リソースを節約するために、CANopen FD Stack は広範囲に設定、拡張できるようになっています。それらの設定は、グラフィカルな設定ツールである CANopen DeviceDesigner で行います。CANopen DeviceDesigner では、内蔵のデータベースを使用してオブジェクトディクショナリーや EDS ファイルの生成もできます。そのため、変更点がすばやく簡単に反映され、開発時間の短縮を図ることができます。
CANopen FD Stack をできるだけ簡単に使い始めることができるよう、すぐに使用できるサンプルが提供されます。さらに、スタックの仕組みや使用事例を説明するユーザーマニュアルや、各 API 機能を詳しく解説するリファレンスマニュアルが、製品に同梱されています。CANopen Conformance Test による 仕様準拠の確認は定期的に行われています。